定例府議会報告
令和4年5月定例府議会(本会議)
令和4年5月定例府議会(5月20日~6月9日)は、コロナ禍における国の「原油価格・物価高騰総合緊急対策」を踏まえ、府として影響を受けている府民や事業者への支援策が盛り込まれた約42億円の「令和4年度一般会計補正予算案」などの知事提出議案14件、報告案件15件、自民党府議団が提出した「ギャンブル等依存症対策推進条例案」など議員提出議案3件の計32議案を審議しました。
さらに、府の公益に関する課題について国に要望するため、「阪神高速道路松原線工事に伴う渋滞解消策充実に関する意見書」など3件の意見書を全会一致で採択しました。
なお、今議会で自民党府議団は「『旧姓の通称使用』に法的根拠を与える議論を求める意見書」案を提出しましたが、他会派の反対により、残念ながら不採択となりました。
今年3月に内閣府が公表した世論調査では、「現行の同姓制度を維持すべき」は27.0%で、「同姓を維持したうえで、旧姓の通称使用の法制度を設けるべき」が42.2%、「選択的夫婦別姓制度を導入した方かよい」が28.9%となっています。
また、夫婦別姓により、子どもへの影響についての設問に対し、「子どもにとって、好ましくない影響があると思う」と考える人は69.0%にも上っています。
西野修平は「同姓を維持したうえで、旧姓の通称使用できる法制度を設けるべき」という考え方であり、選択的夫婦別氏(姓)制度に反対の立場です。反対の理由は、例え「選択的」であっても、夫婦別姓だけが生まれながらにして否応なしに「親子別姓」も「子どもに強制」し、同一戸籍・同一氏を維持できず、現行の戸籍制度にも大きな影響を及ぼします。
さらに、戸籍制度と皇族の「皇統譜」は二元体制であることから、現行の戸籍制度に変更を加えることは、その関係性が崩れ、必然的に皇室の廃止につながる恐れがあるからです。
天皇は日本国の象徴です。それが、憲法第1条にも掲げられ、国体つまり国の形を成すものであり、それを否定することはできません。そのため、西野修平は夫婦別姓(氏)制度には反対の立場ですが、与野党の壁を越えて取り組むべき問題であり、今後も国民的な議論が展開されることを期待しています。
また、西野修平が自民党府議団の政調会長に就任し、今後は「批判ではなく、提案。」「毎議会、新提案。」を基本理念に活動することとしました。
今議会では自民党府議団から「ギャンブル等依存症対策推進条例案」を独自提案しました。ギャンブル依存症は多重債務や自殺、犯罪、家族の貧困や虐待などの重大な社会問題を生じさせており、カジノを含むIR(統合型リゾート)の誘致を進める大阪だからこそ、最大の懸念点であるギャンブル依存症を払拭する必要があるからです。
条例案には事業者への射幸心をあおるCM規制の協力要請やオンラインカジノ対策のほかに、当事者や家族の声を踏まえた回復プログラムなど、具体的な取り組みを明記しました。可決すれば全国初となり、既存のギャンブルに対する依存症対策にもつながる画期的な条例案でもあります。
しかし残念ながら、議員の最大の仕事でもある「政策条例」を提案しても議論すらされず、数の論理で“無きもの”として、他会派の反対により否決されました。これが大阪府議会の“現実”です。「身を切る改革」や「行政のチェック機能」を果たすだけであれば、議会の権能を放棄したことになります。
われわれは今後もこの問題に真正面から取り組んでまいります。
さらに、自民党府議団から「視察時のグリーン車やビジネスクラスを禁止(自己負担)する条例改正案」を提案しました。府民感覚からかけ離れた現行の制度をあらため、財政再建に貢献するというものです。
なお、大阪維新の会からも同趣旨の提案があり、維新案はわれわれの案に加え、委員会視察そのものを廃止するという内容でした。委員会として専門性のある視察や調査に行くことは必要であると考えており、廃止そのものは議会の調査権を削ぐことになるのではないかと懸念しています。
しかしながら、われわれが先行して提案したグリーン車やビジネスクラスの廃止という「肝」となる項目が議案に含まれているため、一歩でも改革を進めるべきという観点から維新案に賛成し、可決されました。
本改正案については自民党府議団が先行して提案し、議会改革の“口火”を切って先導した成果でもあります。
今後も府民目線に立った改革案を示してまいります。
そして、今議会において西野修平が一般質問に立ち、以下の質問項目について質疑を行いました。
質疑の詳細は大阪府議会インターネット中継をご覧ください。
なお、関連記事が5月30日、31日付の新聞各紙(インターネット記事を含む)に掲載されました。
●産経新聞(インターネット記事)
-質問項目- 質問日:5月30日(月)
1)HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)接種
・9価ワクチンや男性への接種費用の助成
・分かりやすい啓発パンフレットの作成と教育庁との連携
・接種対象者の保護者の理解を深める方策
2)選択的夫婦別氏(姓)制度について
・選択的夫婦別姓制度の法制化に関する意見書
・選択的夫婦別氏(姓)制度
・夫婦別氏(姓)による子どもへの影響
・選択的夫婦別氏(姓)制度の導入による問題点
3)武漢新港管理委員会と大阪港湾局とのパートナーシップ港提携
4)IR(統合型リゾート)事業者からの納付金等
-意見書-
1)阪神高速道路松原線工事に伴う渋滞解消策充実に関する意見書
2)ギャンブル等依存症問題に関する対策強化を求める意見書
3)我が国経済の力強い成長を実現させるためスタートアップ企業に対する大胆な支援制度を創設するよう求める意見書