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定例府議会報告

令和5年2月定例府議会(本会議)

令和5年2月定例府議会(2月22日~3月17日)は新型コロナウイルスの感染拡大に備えた対策費などを盛り込んだ約3兆6,421億円(特別会計は約3兆0,824億円、総額約6兆7,245億円)の「令和5年度一般会計当初予算案」など知事提出議案103件、報告案件13件、議員提出議案8件の計124件を審議し、すべて原案どおり可決しました。
さらに、府の公益に関する課題について国に要望するため、「鉄道営業法に安全阻害行為等の禁止等の条文整備を求める意見書」など9件の意見書を全会一致で採択しました。

今年度の一般会計予算案は、前年度比3.6%減となりましたが、過去最大だった前年度に次ぐ予算規模となりました。
2年後に迫った「2025年 大阪・関西万博」の準備に万全を期すため、万博推進事業費は前年度の約2.3%増となり、「大阪パビリオン」の建築工事やiPS細胞を活用した「心臓モデル(最先端の再生医療で、膜型に心筋シートを貼り付ける構想のこと)」関連費などが計上されています。

また、物価高騰の長期化に伴い、子育て世帯の家計負担が増大していることから、18歳以下の子どもに5,000円分のお米(または食料品)を支給します。
教育分野においては、教職員の長時間労働対策の一環として「2校1部活」の導入や英語学習アプリの開発、オンライン出願や採点業務のデジタル化の推進に重点を置いた予算となっています。

さらに、減債基金(将来の府債返済に充てるために積み立てる貯金)から借り入れていた累計総額5202億円について、令和5年度に復元を終える見通しとなりました。
これまで財政運営の“禁じ手”と言われてきた減災基金からの借り入れ手法は、太田知事時代の平成13~20年度に行われていました。しかしながら、「将来世代にツケを回さない」との思いから、橋下知事時代にこの手法から決別し、以来14年間、厳しい財政運営を余儀なくされてきましたが、令和5年度で復元できたことに感慨深い思いがあります。引き続き、次世代への投資の重要性を柱とした財政運営を求めてまいります。

なお、自民党府議団から議員提出していた「令和6年度から私立高校の授業料を完全無償化する条例案」は残念ながら、維新、公明の反対により否決されました。

-新型コロナウイルス感染症への主な緊急対策(2月定例府議会)-

●医療従事者の派遣事業を支援

感染者を受け入れる医療機関や臨時の医療施設における医療提供体制を確保するため、医療従事者を派遣する医療機関に対し、派遣に要する経費を補助。


-令和5年度の主な新施策-

●「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」人材の育成

行政需要の多様化などに対応するため、専門的な知識や能力の向上に資する職員研修を実施。

●防災アプリの導入

災害や健康危機事象のリスクを迅速かつ的確に提供し、府民のが命を守る行動を実行できるよう、スマホアプリを導入。

●「ギャンブル依存症対策基金」を創設

ギャンブル依存症対策の取り組みを持続的に推進するため、寄付金などを充当する「ギャンブル依存症対策基金」を創設。

●「医療的ケア児支援センター」の設置

医療的ケア児やその家族、関係機関からの相談に応じるとともに、関係機関で構成する2次医療圏域会議を実施するための「医療的ケア児支援センター」を設置。

●重度知的障がい者の地域生活を支援

重度知的障がい者の地域生活を支援するグループホームや短期入所事業所を拡充するため、事業者に対し、受け入れに必要な環境整備に係る費用を助成。

●18歳以下の子どもへの食費支援

物価高騰の長期化に伴い、特に家計に占める食費の割合が大きい子育て世帯(府内在住の18歳以下)に影響が生じていることから、5,000円相当のお米(または食料品)を支給。

●不登校の子どもへの支援を強化

小・中学校の不登校児童や生徒への支援の核となる場所として、校内教育支援ルームを設置し、ICTを活用した個別の学習補助を行うなど、幅広い支援を実施。

●新たな観光コンテンツの創出を促進

「2025年 大阪・関西万博」に向け、府域の観光資源を活用したイベントなどを開催し、府域への集客を促進するとともに、新たな観光コンテンツの創出を図り、大阪と兵庫の連携強化で周遊を促進。

●猫の多頭飼育対策の強化と「地域猫」活動の推進

多頭飼育問題は「殺処分ゼロ」に向けた取り組みの大きな障壁となっており、動物愛護の観点のみならず、周辺環境にも大きな影響を及ぼしていることから、飼い主の状況に応じた対策を強化。また、自治会や町会などとボランティアが取り組む所有者がいない猫(ノラ猫)」を減らす活動を支援。

●外国人材の受け入れ支援体制を強化

大阪の成長を支える外国人材の受け入れ増加に備え、企業においてロールモデルとなる外国人材の採用を促進するため、日本での就職を希望する外国人留学生を対象に、府内企業との就職面接機会の提供と内定後のフォローアップを実施。

●スタートアップの支援体制を強化

将来の大阪経済の牽引につながる規模拡大型スタートアップの輩出に向け、スタートアップの海外進出モデルを創出し、支援メソッドを涵養。

 
-意見書-

1)オンライン本会議の本格実現を求める意見書

2)アスベスト被害を抑える対策の強化を求める意見書

3)新型コロナウィルス感染症の後遺症の方々の日常を守る取組みの強化を求める意見書

4)帯状疱疹ワクチンへの助成並びに定期接種化を求める意見書

5)知的障がい者・知的障がい行政の国の対応拡充を求める意見書

6)地域のグリーントランスフォーメーション(GX)の促進を求める意見書

7)認知症の人も家族も安心な社会の構築を求める意見書

8)「特定商取引法平成28年改正における5年後見直し規定に基づく同法の抜本的改正」を求める意見書

9)鉄道営業法に安全阻害行為等の禁止等の条文整備を求める意見書